コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
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大阪国際綜合法律事務所
平成24(行ウ)245  医業停止処分取消請求事件 平成26年6月6日  大阪地方裁判所
平成24(行ウ)245  医業停止処分取消請求事件 平成26年6月6日  大阪地方裁判所
作成:2014年9月1日(月)
事案は、秘密漏示罪によって懲役4月(執行猶予3年)の刑に処せられた医師である原告が、厚生労働大臣から1年間医業の停止を命ずる旨の処分を受けたことから、本件処分の違法性を主張して、その取消を求めた事案です。
原告医師は、継母や弟妹が現在する自宅に放火して自宅を全焼させるとともに同人らを死亡させて殺害等の非行により裁判所に送致された少年の鑑定をしました。
原告医師は、広汎性発達障害である本件少年が、マスコミの報道によって殺人者であると誤った認識が定着すること等を危惧して、フリージャーナリストに本件少年の供述調書等を閲覧させました。
このジャーナリストは、原告医師との約束を破り、本件少年の供述調書の内容等を出版しました。
確かに、原告医師は主観的には違法性の認識はなかったのかもしれません。
しかし、判決は、「本件行為が少年の利益にかなうと即断すること自体、独善的であるというほかないし、既に判示したところに照らすと、客観的にも、本件行為が本件少年の利益にかなうものであったということはできない。そうすると、本件行為が正当な理由に基づくものであるとは認められず、その動機、目的に酌むべきものがあるということもできない」と判示しています。
判例は、故意犯の成立には、違法性の意識は不要と考えています。
善意での行為であっても、違法性の意識の可能性さえあれば故意犯は成立します。
医療従事者は、善意での行為は許容されると考える傾向にあります。
他人の秘密の扱いについては、第三者である法律家に相談しておくべき事案でしょう。

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