コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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日経ビジネス2017.05.15号 第4次「食」革命
日経ビジネス2017.05.15号 第4次「食」革命
作成:2017年5月24日(水)
日経ビジネス2017年5月15日号は、「第4次食革命」を特集している。
そもそも、革命とは「天命革まる」とする易姓革命からきている言葉で、大変血なまぐさい言葉であり、雑誌の表紙に使うべきものではない。
この「革命」という用語を乱用するのは、世の中が騒がしくなる要因となる。
このことを注意して、記事の内容を振り返ってみる。
記事では、食の世界が変わる理由として次の6つを掲げている。
1)2050年には世界人口が90億人になることが見込まれるが、この人口のタンパク質の需要に対して家畜からのタンパク質では賄えない。
2)畜産に必要な水と穀物の量を比較すると、穀物を育てる場合と比べて、牛は10倍の資源を使う。つまり、動物性タンパク質は環境負荷が大きい。
3)2000年以降に成人した所謂ミレニアル世代は、健康や環境への意識が高い。
4)2014年以降、原油価格が下落しており、その分のマネーが食に流れ込む。
5)食品と含む消費財分野で大企業のイノベーションは停滞気味で、シェアは新興企業に奪われている。
6)遺伝子組み換え技術や情報技術の革新が食物分野にも波及してきている。
これらを眺めると、我が国の課題が見えてくる。
第一に、水資源の確保である。
イザヤ・ペンダサンではないが、我が国では「水と安全はタダ」という信仰がある。
しかし、水の供給源である山林の所有権が、裏で外国人にわたっていると報道されて久しい。
もう一度、外国人による土地所有に対する法制度を検討することが必要ではなかろうか。
第二に、我が国の若年層は、健康に対する意識は低い。
平成25年度の厚労省の調査によると、朝食の欠食率は、男性が14.4%、女性が9.8%となり男女ともに20歳代が最も多かった。運動習慣については男女ともに30歳代が一番低くかった。
女性においては、やせている成人女性の割合が12.3%と過去最高となっているが、30代や40代でもやせている人が増えてきている。
むしろ、社会に役に立つ必要性を教育しなければ、健康でいることのモチベーションは上がらない。
第三に、遺伝子組み換え食品に対するアレルギーが強い。
世界人口90億人の時代にむけて、遺伝子組み換え食品なしにやっていけるのか、真剣に考える必要がある。
このような課題を明確にしたうえで、新しい解決策の萌芽が見えてきているようにも思える。
ウェアラブル端末で、健康管理をする習慣は、一部の層(若年層に限らない)で確立してきている。
食については、何を食べるか、だけではなく、どのように食べるか、いつ食べるか、何を食べないのか、が重要になってくる。
食は、習慣の問題であるので、これらをウェアラブル端末だけで管理するには、現状では限界があると思われる。
むしろ、「家族」の機能を十分に確立することが重要であると思われる。
子供に対する教育だけでなく、親に対する教育、「親学」が必要とされなければならない。
食の問題を扱うのに、家族の機能に触れないのは、いかにも日経ビジネスの姿勢かもしれない。
しかし、家族の機能を強化するとともに、親学を普及させることが、健康寿命を延ばし、国家としての生産性を高めることにつながると思う。

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