コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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マネーストックとマネタリーベース
マネーストックとマネタリーベース
作成:2016年11月3日(木)|更新:2016年11月3日(木)
 日本銀行のウェブサイトを眺めていると、マネーストック(昔でいうところの「マネーサプライ」)についての説明がありました。
https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/index.htm/
 当該サイトによると、
「マネーストックとは、基本的に、通貨保有主体が保有する通貨量の残高(金融機関や中央政府が保有する預金などは対象外)です。通貨保有主体の範囲は、居住者のうち、一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業が含まれます。このうち一般法人は預金取扱機関、保険会社、政府関係金融機関、証券会社、短資等を除く法人です。」
と説明しています。
 一方で、同ウェブサイトには、マネタリーベースについても解説していました。
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exbase.htm/
 当該サイトによると、
「マネタリーベースとは、「日本銀行が供給する通貨」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と「日銀当座預金」の合計値です。
マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」
2. 利用上の留意事項
(1)
マネタリーベースの流通現金は、マネーストック統計の現金通貨と異なり、金融機関の保有分が含まれます。これは、マネーストックが「(中央銀行を含む)金融部門全体から経済に対して供給される通貨」であるのに対し、マネタリーベースは「中央銀行が供給する通貨」であるためです。 」
と説明しています。
 ある著名経営コンサルタントが、「通貨供給量が増えて、市場にはお金がじゃぶじゃぶだぶついている。」と説明されていましたが、マネタリーベースとマネーストックとの混同されているように思います。
 日銀の統計を見ると、マネーストックは全く増えていないのです。
http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$graphwnd
 これでは、決して「市場にお金がじゃぶじゃぶだぶついている」とは言えません。
 私の理解が不十分であること、私の不見識を天下に敢えて晒して申し上げるのですが、日銀の説明は、マネーストックを増やしているような印象を市場に与えることで、世間に誤解を与えていたのではないでしょうか。
 いくらマネタリーベースを増やしても、マネーストックが増加しなければ、デフレ脱却に結びつかないのは当然だと思うのです。
 日銀が市場とのコミュニケーションに成功していないのか、メディアの解説が不十分なのか。
 双方の努力をお願いします。
  

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