コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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事業承継(その33)ファミリー企業の根本的問題(その1)―「競争原理と家族原理の相克」―
事業承継(その33)ファミリー企業の根本的問題(その1)―「競争原理と家族原理の相克」―
作成:2016年5月16日(月)
事業承継(その33)ファミリー企業の根本的問題(その1)―「競争原理と家族原理の相克」―
企業の原理―競争
企業の基本原理は競争の原理と言っていいでしょう。
原則的に、企業は競争に晒されています。
競争に勝たないと、持続的に事業を継続することができません。
排他的独占的な事業をしている特殊な企業を除いて競争原理が支配していると言っていいでしょう。
共生
競争に対して、共生という言葉があります。
いまや「ブルーオーシャン戦略」という言葉が日常語になりましたが、ニッチ分野を発見し、競争を避けて顧客に価値を提供する姿勢は大切です。
このような棲み分けによる共生は実際に存在します。
共生は、競争を排除するものではないと思うのです。
多数の企業が共生できるだけの経済的パイがある間は、競争が顕在化しないだけだと思うのです。
しかし、低成長の時代になれば皆が共生の原理ですみ分けることができるだけのパイがなくなり、必然的に、競争が顕在化すると考えられます。
確かに、企業間でカルテルを結び、価格や生産数量対して共同してリーダーシップを発揮する事例は散見されました。
独占禁止法3条後段では、カルテルを不当な取引制限として禁止しています。
公共入札価格を協定しておく談合は、刑法96条の3の談合罪の規定で処罰されることになります。(台湾では日本統治下で「談合」が訛って伝えられ、「団子」という言葉が使われることがあるそうです。)
わが国の法は、共謀的な「共生」は法律で減に禁止されています。
やはり、競争こそ企業の基本原理と言わざるを得ません。
企業間競争は戦争にたとえられる
同業の企業間の関係は、共生ではなく競争です。
企業戦略という言葉が一般的に使われるようになったのは、企業競争が戦争に例えられるからでしょう。
多くの企業経営者が、戦国武将の物語や三国志を好んで読みます。ヤマハの川上源一郎社長が「孫子」を愛読していたことは有名です。
企業と企業の間を規律する基本原理は、「競争」です。
もちろん、企業間のアライアンスということが昨今重要視されていますが、これは、大きな競争相手に伍していくためのものです。
戦国時代においてもアライアンスは日常的でした。桶狭間の戦いの後、織田信長は、武田信玄や今川氏真らに対抗するために、家康と清州同盟を結んだのもそうです。大国であった秦に対抗するために、秦以外の六国が同盟した合従説もそうです。
グローバル化、複雑化、高度技術化した現代の競争環境において自社だけでは生き残りができないから、アライアンスを結ぶのであって、やはり、企業と企業の間を規律する基本原理は、やはり「競争」といえるでしょう。

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