コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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事業承継(その21)ファミリー企業経営者に重く圧し掛かる連帯保証
事業承継(その21)ファミリー企業経営者に重く圧し掛かる連帯保証
作成:2016年4月29日(金)
事業承継(その21)ファミリー企業経営者に重く圧し掛かる連帯保証
ファミリー企業の成長を考えるためには、ファミリー企業の成長を阻害する要因を探り当てて、これをいかに排除するかを考える必要があります。
この際に、経営者が会社の債務に対して連帯保証を要求されるかどうかで、戦術が違ってくることがあります。
経営者が連帯保証を要求される場合には、実際のところ、非同族の番頭さんへ事業を承継することは困難だといえるでしょう。
 たとえば、経営センスがある非同族の番頭さんがいたとしましょう。社長が次期社長候補である非同族の番頭さんを社長室に呼んで、「わしも随分年をとった。これからは、お前に任せようと思う。銀行からの借り入れに対して、保証人になってもらわないといけないから、給料は倍にしてやろう。」と切り出します。
番頭さんは家に帰って、その日のうちに奥さんと相談します。
「社長が、俺に次の社長になってくれって。給料は50万円から100万円に倍にしてくれるって。」
奥さんは心配するのは当然です。
「あなた。社長になったら、銀行からの借り入れに保証人になるんでしょ。絶対に断ってよ。」
次の日、番頭さんは社長に、「社長。申し訳ないですが、私には次の社長は務まりません。」ということになる。
会社の代表者に個人保証を求める習慣の結果、承継者の範囲を同族に限ってしまいます。そして、同族の承継予定者は、ときに個人保証を嫌がり、承継を拒否することにもなるのです。
近時、経営者に個人保証を求めない傾向は見られるものの、現実は、社長の個人保証をとることが原則になっています。
物的保証による貸し出しを基本であることが事業承継の多様性を阻害している面は否定できないと思うのです。
事業承継を円滑にするためには、金融機関が事業の成長性に対する目利きになり、物的担保に依存しなくなることが必要だと思うのです。

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