コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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事業承継(その19)様々な規模・形態があるファミリー企業
事業承継(その19)様々な規模・形態があるファミリー企業
作成:2016年4月27日(水)
事業承継(その19)様々な規模・形態があるファミリー企業
ファミリー企業といっても、小規模閉鎖会社から上場企業までさまざまな規模があります。
ファミリー企業を一括りにはできません。
ファミリー企業には様々な形態があるのです。
上場していて社長は創業者一族から輩出しているファミリー企業もあれば、上場していない小規模閉鎖的なファミリー企業もあります。
ここで、閉鎖的な会社とは、株・持分の譲渡に取締役会の承認を必要とする会社をいいます。
創業家から経営者を出しているファミリー企業もあれば、経営は非ファミリーの番頭さんに任せてファミリーは君臨すれども統治しない位置に座っているケースもあります。
 会社法における株式会社の基本的な考え方は、持分を株式という形にして、持ち分を転々流通できる仕組みを作って、持ち分を譲渡することによっていつでも投下資本を回収できるようにする、そして、投資家は出資した金額以上の責任を負わないことで、広く市場に散在している資本を糾合でき、大規模事業が可能になる、というのが、株式と有限責任を基本原理とする株式会社に関する会社法の基本的な考え方と言ってよいと思うのです。
しかし、広く市場に散在している資本を糾合する、というのは、まさしく株式を上場する場面で想定される話です。
現実的なところ、当初、実績もない会社に投資するのは、創業者自身か、創業者の親戚縁者らであることが、むしろ通常の形と言えるのではないでしょうか。
会社法が起業を容易にするために、従来の商法が求めていた最低資本金制度を撤廃したことは、大規模経営ではない起業を容易にすることにありました。
つまり、起業においては広く市場に散在する資本を大規模資本に糾合することを前提にしていないことを露呈したのです。 これは、会社をスタートするときには、同族経営が通常の形態であり、やはり大規模資本を糾合するとは限らないことと表裏の関係にあると言ってよいのではないでしょうか。

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