コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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事業承継(その15)経営者の自覚
事業承継(その15)経営者の自覚
作成:2016年4月23日(土)|更新:2016年4月24日(日)
事業承継(その15)経営者の自覚
事業承継を妨げる最大の問題は、現経営者が、事業承継準備にとりかかる必要性を認識していないことです。
創業者は、企業の隅から隅まで知り尽くしています。
創業者、事業経営のコツも、何が成功の重要要因(KFS=key factor for success)かも熟知しています。
創業者は、古くから勤める従業員の性格、能力、時にはその家族構成まで知っています。
なによりも創業者は、事業に命がけで取り組んでいて、これ以上のコミットメントを発揮する人材は他に代わりないのです。
創業者の内心は、「誰が俺に代われるのか。代われるものなどいない。」と考えているものです。
創業者の内心では、誰かに承継するより自ら事業を継続した方がうまくやれると心から信じているものです。
しかし、すべての人間には寿命があります。
たとえ、スーパーマンのような創業者でも、永遠の生命を得ることはできないのです。
司馬遷の史記によると、秦の始皇帝は東方巡幸を続けながら、不老不死の仙人を求めましたが、結局、死を避けることはできませんでした。
事実、企業の創業者は実力もあり、事業に対して鬼気迫るものがあるので、誰も創業者の死をイメージさせる事業承継のことを口には出せないものです。
 会社については一から十まで知り尽くしている創業者でも、一つだけ知らない、経験したことがないことがあります。これが事業承継なのです。
このような事情から、創業者が事業承継の困難さを認識していなくても止むを得ない側面もあるのです。
こうして、創業者は、事業承継準備に自ら取り掛かろうとは思わないことが多いのです。
事業承継コンサルタントの仕事は、創業者に事業承継準備の必要性を自覚してもらうことなのです。
創業者が承継準備の必要性を自覚し、事業承継コンサルタントに相談すれば、課題解決に向けて大きな一歩を踏み出したと言えるのです。
「ピンピンころり」という言葉があります。
 いつも健康で元気にピンピン暮らしていて、病気で寝込むことなく、死ぬときはころりと大往生することが理想だということです。
 しかし、ピンピンと元気で企業経営に邁進していて、突然、ころりと往生されてはその後の事業経営はたちどころに危機に陥ります。
 もし、現在の経営者が、後継者が決めていないなら、後継ぎ争いで社内に内紛が起これば、事業の継続が困難になりかねません。
 事業が継続できなければ、雇用は守れません。
 もし、万が一のことがあれば、銀行をはじめ取引先に迷惑をかけますし、社会に対して大きな悪い影響を与えることになります。
 ピンピンと元気な間に承継準備をしておくことが経営者の最大の責務であると思うのです。


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