コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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事業承継には時間がかかる(その14)
事業承継には時間がかかる(その14)
作成:2016年4月21日(木)
事業承継には時間がかかる(その14)
事業承継には準備に時間がかかります。
承継予定者が、相続対策資金、株式買取資金等を準備するためには、役員に就任させて、役員給与を相当な範囲で引き上げて、それを各種対策資金として貯めておく等の手段が必要なことがあります。
役員給与を幾分か上げても、当然のことですが所得税を支払わねばならないのですから、承継準備資金に回せるお金はすぐには貯まりません。
また、過大役員給与の損金不算入に注意しなければなりません。
かつては、役員報酬と役員賞与とあり、前者は損金算入、後者は損金不算入とされていた時代もありました。現在では、併せて役員給与と言うことになります。
役員に対する給与に関しては、定期同額給与、事前確定届出給与、一定の利益連動給与、退職給与は、損金の額に算入されますが、これら以外は損金に算入されません。
したがって、事業承継のため、十分な計画をせずに役員報酬を上げると、会社として損金に算入されないこともあるので、十分に検討しておく必要があると思うのです。
現時点で、定款によって役員報酬の上限を定めている場合には、承継準備のため役員報酬を引き上げるために、定款が定める役員報酬の上限を変更しないといけない事態もあるかもしれません。
このような場合に備えて、ファミリーが、定款を変更できる権限も握っておく必要も検討しておかねばなりません。
 事業規模にもよりますが、事業承継準備には、5年から10年はかかると覚悟しておいた方がいいのではないでしょうか。


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