コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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仕事に効く教養としての「世界史」(出口治明著)
仕事に効く教養としての「世界史」(出口治明著)
作成:2015年8月10日(月)
ライフネット生命の出口CEOは、世界史にも知見が深く、教養人です。
欧米のビジネスパーソンと比較して、我が国のビジネスパーソンは、地頭の良さでは負けていないのですが、一般教養、いわゆるリベラルアーツではいささか改善の余地があると思います。
ビジネスパーソンの多くはそのことを自覚しているらしく日本史、世界史はじめリベラルアーツの勉強に時間を割く、または、割こうと努力しています。
そんななかで、出口CEOの著書が売れています。
同書も大変知見に富んだ良書です。
もっとも、現在の視点で過去を分析している点は、ジャーナリスティックな考えです。
たとえば、諸葛孔明が負けるのをわかって戦争をしかけるのは歴史に名前を残すためとの評価されています。
三国時代では、持していると滅ぼされるという認識でした。
ちょうど、我が国がペリー来航以来、このままでは欧米の植民地にされると認識していたように、持しては滅ぶという認識があったのと同じでした。
出口CEOは、企業経営者ですので、この点、世論の批判をかわすためにか、現在の視点で過去を分析されています。
また、アマテラスのモデルは讃良、つまり持統天皇だとされていますが、根拠は示されていません。
この点、中田力先生が「日本古代史を科学する」(PHP新書)の中で、アマテラスは、卑弥呼であると科学的推論によって結論づけられているのと対照的です。
出口CEOは、卓抜したビジネスパーソンなので、科学的な視点ではなく、ビジネストークをおもしろおかしく提供されているのです。
この意味で、ビジネスパーソンの話のネタ帳に有益な本です。

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