コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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大前研一著「企業参謀」
大前研一著「企業参謀」
作成:2015年1月4日(日)
随分、戦略家の思考方法を解説した古い本です。
中小企業診断士の受験生は、必須図書として何度も読み返しているでしょう。
私も、受験勉強の基本書はご多分に漏れず「企業参謀」を使いました。
「正・企業参謀」では、
・市場シェアが増大するにつれて投下資本利益率も増す。
・品質も収益性の決め手となる。
・中規模の会社のやる事業のほうが、大または小規模企業のやる事業より収益性が悪い。
・多角化が中程度に進んでいる会社の事業は、極端に多角化した場合や専業の場合に比べて収益性が悪い。
と品質向上、シェア拡大を基本に戦略が展開されています。
「続・企業参謀」では、リットンの例を出して、
・巨大企業が中小企業の集まりでしかなく、ただ単に財務面で連結しており、個々の事業を見ると二、三流の人材と技術しか貯えていない
と単なるシェア拡大に警鐘を鳴らしています。
医療法人をめぐって非営利ホールディングカンパニー(仮称)制度が大詰めにさしかかっています。
全国チェーンのグループ下にある病院も、当該地域の非営利ホールディングカンパニーの傘下に入ることが検討されているようです。
地域でIHN様組織の構築をイメージしているなら、地域で病院機能を整理統合するためには、地域の医療機関・介護施設が参加する方が望ましい。
しかし、診療報酬抑制策に耐えられるように規模の利益を確保することも目指しているなら、全国チェーンのグループに止まった方がメリットがある。
そもそも、グループに属しているからグループ内での人的資源を有効活用できるのであって、このメリットを断ち切って非営利ホールディングカンパニーの傘下に入って、医師の供給が保証されるのでしょうか。
単なるシェア拡大のための道具になっては、成功しないでしょう。
「企業参謀」には「最後に戦略に魂を吹き込むものは人であり、マネジメントのスタイルである」とあります。
非営利ホールディングカンパニーが、共通の理念の下、全体を統括するリーダーが出現するのか。
事実上、グループの下に非営利ホールディングカンパニーが位置づけられるケースも出てくるのではないでしょうか。

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