コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
経営の視点
2015年
2015年
作成:2015年1月3日(土)
1 週刊ダイヤモンド誌は原油安による世界経済の混乱が安倍政権にダメージを与えると予測していますが、現時点では原子力発電のためエネルギー価格上昇分を補う効果が大きく、当面、原油安は我が国にプラス要因となるでしょう。
2 白物家電生産が日本から、中国、韓国に中心に移します。当面、知財戦略でコピーを取り締まるとしても長期的トレンドを考えると、白物家電という区分けではなく、高付加価値商品の部品を世界から調達してアセンブリーを国内もしくは知財を保護できる海外の拠点化が進み、低付加価値商品については、労働付加価値の低い国に中心が移るでしょう。本来は、労働力不足が懸念される我が国においては、安易な規制なき事実上の移民受け入れよりも、セレクティブな移民政策とともに、更なる機械化で国内生産を維持する方向を模索するべきでしょう。
3 周永康事件を眺めると、史記の時代から中国が変わっていないことがわかります。汚職を取り締まっても、エトスが変わらないと本質的な変化は生じないでしょう。エトスを変えるためには、宗教、哲学の力が必要です。中国がダライラマ15世を指定する予定ですが、中国政府が指定したダライラマ15世が中国政府に沿った宗教を説くようになるでしょう。
4 我が国の国債は国内で保有されているためデフォルトはないという論者が少なくありません。戦後インフレ対策として預金封鎖、新円切替が現実にあり、これでもインフレを抑えることができず、国債が紙切れになった事実を直視して、社会保障の見直しが着手する必要があります。このためには、2016年の参議院選挙で社会保障改革を推進できるほどの安定政権ができることが前提となるでしょう。実は、社会保障改革を実施せずに事業主負担が大きくなると、企業の競争力の足枷になるでしょう。
5 資本主義の帰結としての「格差」についての考察が深まるでしょう。資本主義の目的が人を幸せにするものであれば、固定化される格差は是正されなければならないでしょう。国内での格差を許容するにも、是正するにも、「国民」としての連帯が必要であることが認識されるでしょう。すなわち、所得を移転するにも、社会保障を実施するにも、国家というフレームワークなしに考えられないのです。EUエリート層に共有されるコスモポリタニズムの限界が、EUの移民政策を巡って露呈されるでしょう。
6 平成の大合併の際の交付税の増額措置が切れても、人件費に切り込むことができず窮する自治体が出てくるでしょう。結果、住民サービスが低下する自治体が出てきます。本来は、地方自治体の合併に国が補助を出したことが原因なのですが、合併がいけなかったという論説が主流になってくるでしょう。ここでコンパクトシティという論説が浮上するでしょうが、国主導の都市再開発にすぎないのか住民は注意する必要があります。

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