コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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ピケティ教授の「21世紀の資本論」
ピケティ教授の「21世紀の資本論」
作成:2014年7月31日(木)
今話題のピケティ教授によると、資本収益率が経済成長率を上回ってるので、資本を持つ富裕層はますます富を増やし、富の不平等はますます拡大するという。
この格差を是正するためには、資産への累進課税を、国際的に協調して実施するべきだと考えています。
この格差の拡大が問題なのは、資本収益率が高いのは情報の偏在、すなわち、情報へのアクセスの不平等性にあると考えられているかでしょう。
いわゆる「パワーエリート層」が形成され、ここの富と情報が集中すると思われています。
日本のように低成長社会になれば、資産課税は避けられないと思いますが、あまりに大きな資産課税は、海外への資産逃避、いわゆるキャピタル・フライトを加速させます。
世界的に租税回避行動が行われており、しかも、所得税、法人税、および相続税に関して低率税制による国際競争が行われている現状では、ピケティ教授の提言はすぐには実現が困難です。
まずは、租税回避行動抑止に関する国際的な連携の強化が必要です。
次に、パワーエリート層が、富の再生産を独占しないエトス(行動様式)、ノブレス・オブリージュを共有することが必要です。
皮肉なことですが、エリートによる弊害を最小限にするためには、正しいエリート教育が必要なのです。
21世紀の資本主義に求められるのは、租税回避を抑止する仕組みと、正しい倫理観、とりわけ、エリート層が厳格な倫理を持つことだと思うのです。

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