コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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アジア中間層の急増
アジア中間層の急増
作成:2013年12月4日(水)
アジアには5億人の中間所得層がいて、2020年には17.5億人になるという。
しかし、中間層の台頭とひとくくりにできない。
貧しきを憂いず、等しからざるを憂うといわれたように、いわゆる中間層と上流階級との階層が固定化されない工夫が必要だ。
政治権力が規制に関する権限を有する限り、富裕層と政治権力との融合が進む。
この癒着が階層を固定化する。
かつて、ミルズの「パワー・エリート」が描いた政治と経済・産業の癒着は、現在、多くのアジアで見られる。
階層の固定化は、勤勉、努力、誠実という価値観を揺るがすことが最も深刻な問題だ。
どのような時代であっても、勤勉、努力、誠実という価値観が核になっていることが社会の安定と成長に貢献する。
中間層が台頭しても、パワーエリート層の形成の問題に対処しないと、中間層の台頭と民主主義とが結合したとき、社会保障の膨張など社会の活力を奪う。
今、猪瀬東京都知事が医療法人から巨額な金銭を受け取っていたことが問題になっているが、カネのかからない政治にする努力が全く失われてしまったことが根本にあるのではないか。
カネがあるものか、カネがあるものの巨額な資金提供がないと、勤勉、努力、誠実といった素養だけでは、政治に関与できない今の日本は、中間層のエネルギーを感じ取ることはできない。
アジアの中間層の台頭に対する準備は、勤勉、努力、誠実などといった倫理観の形成と自律性を阻害しないためにパワーエリート層が固定しない政治制度だ。



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