コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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税と社会保障の一体改革の前に税の簡素化と公務員改革を
税と社会保障の一体改革の前に税の簡素化と公務員改革を
作成:2013年2月6日(水)|更新:2013年5月14日(火)
安倍政権が掲げる三本の矢、金融政策、財政政策、成長戦略について、前二者について、市場は評価している。
リーマンショックの際に、本来、G20は、通貨安競争を避けるためには、リーマンショックの時点を起点として、それ以降に、各国がどの程度マネーストックを増やすか歩調を合わせるべきであった。
安倍政権は、消費マインド、投資マインドをプラスに転化させるため、インフレターゲットを2%に設定し、目標を達成するまで金融緩和を継続するつもりだ。
問題は、三本の矢が軌道に乗れば、やはり財政均衡を図らなければならす、そのためには、税と社会保障の改革は不可避だ。
そのときにも、消費マインド、投資マインドが冷え込まないように、将来に対する道筋を示す必要がある。

しかし、その前に是非とも取組んで頂きたいことがある。
それは、税制の簡素化と「義」である。
第一に、現在の税制は複雑極まりない。
税理士等の専門家でないと、税法の条文を正確に理解することは難しい。
この税制を簡素化することによって起業もしやすくなるし、負担の程度が透明化する。
簡素化によって徴税コストを軽減することも可能だ。
第二に、「義」の問題、すなわち、規律の問題である。
備中聖人と言われた山田方谷は、備中藩の財政再建を果たした人物であるが、彼は、財政再建には、緊縮財政と同時に成長戦略を成功させたが、最も重視したのは「義」であった。
社会保障の負担を国民に強いる前に、公務員改革、一票の格差の是正に、まず決着を付けないと、国民からの信は得られない。
公務員の痛みを強いてこそ、社会保障改革に国民の理解を得ることができる。
一票の格差税制は、参議院選挙前に道筋をはっきりつけるのが当然だ。
また、本年の参議院で政権の安定性が増した段階で、上記の税の簡素化、公務員改革を具体的に推し進め、国民のマインドが前向きになった段階で、財政均衡への道筋が明確になることを期待する。
残念ながら時間の猶予はほとんど残っていない。
安倍政権には、この難しいかじ取りを祈る気持ちで期待する。

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