コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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我が国の輸出競争力の低下は、円高が原因ではないのか?
我が国の輸出競争力の低下は、円高が原因ではないのか?
作成:2013年1月17日(木)|更新:2013年5月14日(火)
我が国の輸出競争力の低下が喫緊の課題であると、多くの新聞等で流布されてきた。
安倍政権になって円高から円安に動いたことを市場は評価して、株価が上昇した。
これに対し、早稲田の野口悠紀雄先生は、輸出競争力を決めるのは物価調整後の実質レートだとして、円高は輸出競争力低下の原因ではないと結論づける。

確かに、野口先生の言われるように、円高の原因は我が国のデフレが原因であることは間違いない。
また、我が国輸出において、消費財が占める割合は3割程度で、7割は産業財であり、この産業財は決して競争力は低下していないことに注意しなければならない。
しかし、パナソニック、シャープ、ソニーはじめ我が国の家電メーカーが揃って業績が振るわないのは、サムソンという韓国メーカーにやられたと言っておかしくない。
そこで、我々家電メーカーの不振を分析する上で観察しなければならないのは、円ウォンレートのはずである。
円ウォンレートは、1980年は一円0.3752ウォン、1990年は一円0.2047ウォン、2000年は一円0.0953ウォン、2010年は、0.078ウォン、2012年に至っては0.0709ウォンと、この30年ほどで5倍のウォン安が進行している。
もちろん、野口先生の言われるように、輸出競争力を決めるのは物価調整後の実質レートであることは踏まえつつ、競争力は誰との関係での競争力を考えるべきかを考え、我が国の製造業の競争相手が韓国、今後、チャイワン(中国と台湾)と考えるならば、円ドル為替レートだけに目を奪われていると、正しい政策が導かれない。
今回の安倍政権に期待するのは、円ウォン為替相場の正常化なのである。

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