コンサルタント弁護士・籔本恭明(やぶもとやすあき)
経営の視点
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シンガポールに学ぶ成長戦略
シンガポールに学ぶ成長戦略
作成:2012年12月31日(月)|更新:2013年5月14日(火)
面積は東京23区程度、人口517万人のシンガポールは、高齢化が進んでいるにも関わらず、経済成長を続けています。
医療、年金等の社会保障は、所得の36%を強制的に貯蓄させられ、これを減資とする個人積立方式なので、高齢化が進んでも破綻しない仕組みができています。
成長の理由は、教育が充実していることと、優秀な官僚が主導して都市の競争力を強化していること、海外から資本を呼び寄せる魅力的な税制を敷いていること等が挙げられます。

我が国では、選挙において「教育」が争点になることはありません。
精々、いじめ問題に取り組むと宣言する程度で、国際的な競争に耐えられる人材を育成するなどの理念は争点になりません。
我が国では、土地に対する私権が強固なため、シンガポールのように国家主導で都市を整然と整備することは困難です。
我が国は、法人税、所得税、相続税のいずれもシンガポールより上回っています。
確かに、我が国が成長するためには、統治機構を変えて、道州制を導入し、地域が魅力的な税制で資本を呼び寄せ、地域の知恵で経済のパイを大きくするという発想は必要です。
しかし、不動産に対する私権が強固だと、地域が智慧を出して、都市の競争力をつけようとしても限界があります。
また、教育が充実していないと、権限を拡充した地域が負担を先送りして、当該地域の将来の住民に負担を負わせることにもなりかねません。
シンガポールから学んだ成長戦略は、教育を充実すること、都市の競争力を強化するべく私権を制限すること、海外から資本を呼び寄せることができるよう税制はじめ地域に自主性を広く認める道州制に移行すること、将来に社会保障の負担を先送りしないように積立方式に移行することです。
来年の参議院選の争点のひとつに「教育」が俎上に上ってくれることを期待します。

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